この君 air

おおきに閲覧。

鑑賞記録


NHK総合『君が僕の息子について教えてくれたこと』

自閉症とともに生きる作家・東田直樹さん。彼の文章は、春まだ浅い山中の、早朝の空気に似ている。凛と澄んでいて、ひと息吸えばじんわりと身体になじむ。読んでいてとてもすがすがしい。

彼が13歳の頃に著した本がいま、海を越えてベストセラーとなっている。番組では、彼の日常のほか、翻訳に携わった作家(自閉症の子を持つ父でもある)、さらにこの本との出会いによって救われた人々が紹介された。

自閉症の人は、対人コミュニケーションに困難をかかえている。そしてその家族もまた、子の気持ちや行動の意味がわからず苦悩する。(うまく会話はできなくとも)言語能力に長けた東田さんは、自らの思いを一語一語つむぎ、双方の橋渡しのような存在となった。家族は彼の言葉を、子のそれとして受け入れ、涙する。

本を読んだことで、自閉症の息子との向き合い方が好転し、息子にも表情の変化が生まれたアメリカの家族。ある日、息子が両親の結婚式のアルバムを手にし、写真に何度もキスをする。そのようすに「産んでくれてありがとう、と伝えているのかも」と両親が目を細めるシーンが印象深い。そこには素直な「愛」があった。

「成功からほど遠いように見える人の瞳にも、きっと美しい山が映っています。僕は自分の言葉を世界中の人に届けられた幸運に感謝し、さらに高い山を目指すつもりです。」と東田さん。

彼の「登山」につきあえることは、同じ時代を生きる者にとって幸福なことかもしれない。

 

 

おまけ: 

まだ似合う? 卒業したけど「制服ディズニー」 :日本経済新聞

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上の記事を読んでいたので、昌子ちゃんの「制服うたの夏まつり」も抵抗なく見られた。

はずがない。

二度見。