この君 air

おおきに閲覧。

新年初旅 本番編

 

自分でつけたタイトルを「新婚初夜」と誤読して紅潮している。

 

気を取り直して、旅当日。友人たちと仙台駅8番線に集合し、まずは作並をめざす。なんたって…

 

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蒸留所があるからね、とミーハー心を隠せない我々。車で山形から仙台に向かう際、その案内表示はよく見かけていたが、見学に行ったことはなかった。

駅に着いてタクシーを探していると、温泉旅館のシャトルバスのおじさんが「ニッカの工場はこっから歩いて20分、バスなら…」としゃしゃり出てきた。どうやらタクシーは駅に常駐していないらしい。急ぐ旅でもないので徒歩にしたが、蒸留所の外門から見学受付までの距離もそれなりにあるので、最終的に30分はかかったと思う。連休中かつマッサン特需で、閑散期の冬でも観光客は多い。

見学前に、帰りの足は確保せねばとタクシー会社に電話すると「その時間いるかわからないから、また改めて電話して」と言われる。いてほしいから電話してるのよ。

 

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雪の舞うなか、見学スタート。「移動中、ご質問があればなんなりと」という案内嬢がかわいくて、「彼氏いるんですかって聞こうぜ」と修学旅行中の男子のようなテンションになる。

 

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しめ縄つきポットスチル。想像以上に大きい。

 

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貯蔵蔵では、熟成期間の差を色や香りで確かめた。

 

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試飲は、アップルワイン・宮城峡・伊達の3種。水や氷だけでなく炭酸サーバーもあるので、自分でハイボールを作って楽しむことができる。昼ごはんを食べていなかった我々は、有料おつまみをアンケート用紙にぶちまけて、本格的に飲み始めるBBAモード発動。20分後に「営業終了です」と制止された。

 

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パネルに出くわすと、一緒に収まらなければ気が済まない性分。第二夫人気取りで。

 

見学を終え、さきほどの会社に再度タクシーを手配すると、「あぁー、その時間の電車だと間に合わないね」と見捨てられる。1時間に1本の路線バスも、きわどい時間の到着。「…歩こう」。

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帰り道はえらい吹雪に見舞われた。風が強くて前を向けない。肩にはおみやげのウイスキーが食い込む。皆、ムダ口も叩かず、一列になってひたすら歩いた。吹雪には慣れているはずだったが、ひさびさにつらいと感じるレベル。…今後見学を考えている人がいるなら、悪いこと言わんから、自家用車で行って誰かを犠牲にするか、シャトルバスの運行日になさい。

 

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発車時間に間に合うよう早足で来たのに、強風により電車が動けず、車内で50分足止めをくらう。タクシーでもバスでも余裕だったね、と力なく笑った。

その後、無事に愛子に着いたものの、宿のシャトルバスはすでにいない。やむなくタクシーを拾うと、「ニッカの他にどこも行ってないの? まぁ今の時期はどこも行くとこねぇからな」と観光地で働くには不適切なドライバーにあたった。「そういえば、あなたのタクシー会社に電話したけど、車まわしてくれなかったよ」と言うと、「え、おっかしいなぁ」とチャラめに謝られた。おもしろいから許す。

 

 

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「ひもじさも寒さも不運も、風呂とこれを楽しむための序章だ」と自分に言い聞かせていた。

 

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料理はかなり凝っている。 お品書きにはなかった「フォアグラの茶碗蒸し(写真右)」を前に、挙動不審になる田舎者。クリーム入りで、とても濃厚。

 

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肉・魚と揚げものは、好みのものを1品ずつ選ぶしくみ。前者はなぜか皆、ローストビーフを選択。肉の間にはりんごのワイン煮が添えられていた。

 

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揚げものはそれぞれ違うものにして、分けあうことに。春巻の皿に添えられていたらっきょうのソルベ(=凍ったらっきょうをミキサーにかけたようなもの)がしゃれおつ。

 

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食事は白ごはん or はらこ飯。レモンのシャーベットですっきりフィニッシュ。

腹いっぱいすぎて、しあわせなのに苦悶の表情を浮かべる3人。たまたま友人の地元が舞台となっていた「西村京太郎トラベルミステリー」を見ながら、布団に横になるほかなかった。ドロドロの人間模様で消化不良。

 

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翌日。ひとっ風呂あびて朝食会場へ。なんでもござれのビュッフェスタイルで、生ビールのサーバーまで設置されている。それを見た客のおじさんが「日本酒はないのか」とずうずうしくスタッフに迫っていて、上には上がいるもんだと感心した。

昨日の満腹を考慮して、欲張りすぎない程度に料理を盛って戻ると、他のふたりはほぼ全種を皿に盛って並べていた。その数時間後には、仙台で別の友人とのランチ(しかもケーキ食べ放題ビュッフェ)を控えているというのに…。結果的に朝も十分満たされて、宿では「食べる」「寝る」「風呂」「ゆべしの試食を勧められる」のいずれかに終始した。いわゆる、ダメ人間である。

自家用車なら他の観光スポットにも足をのばせるだろうから、ぶらつきやすい春や秋に行くのが最適かと。今度来る機会があれば、街なか散策が目標だ。

 

正午前の電車に乗り、仙台戻り組とお別れ。AちゃんHちゃん、ありがとねー。

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太平洋側の青空が恋しくなる。もう数ヶ月は灰色の空とにらめっこだ。 

 

 

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うちのオッサンへのみやげ。

 

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自分へのみやげは、寄り道した先で調達。

 

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「そのチーズ、すごくうまい。賞味期限今日までだけど、スプーンですくって食べるとトロットロ」。まさにその通りだった。商売上手め…

 

今年も時間の許す限り、いろんなところに行けたらいいな。