この君 air

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小太り女のコブとり記 3


6月4日 入院(手術前日)

10:00 入院手続
12:00 昼食
13:30 手術説明
16:10 麻酔医来訪
17:30 入浴(予約制・30分一本勝負)
18:00 夕食
18:30 PARM
21:00 禁食

 

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手術説明には関係者の同伴が必須とのことで、母に来てもらった。「説明を受けたいので、センダ先生お願いします」と医局に声をかけると、看護師さんが珍妙な顔をする。その後、医師が母に「担当のチダ(=千田)です」と挨拶した瞬間に、自分がハナからしくじっていたことを察した(←初回の記録で略称を「S」としている)。「手術中、違うとこにメス入れられたらどうしよう」という恐怖で、説明はあまり頭に入っていない。

 

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入院中の予定表をもらう。手術日の絶食と、髪が洗えないことがつらい。ぽっちゃり系看護師・ノアちゃんが「きょうのうちにちゃんと食べておいてくださいね」とほくそ笑むので、無駄に食欲が煽られる。


夕方、手術に付き添ってくれる麻酔医がやってきた。「airさァーん、しつれいしまスゥー」。美声とともに現れたのは、矢野顕子風スマイルを絶やさない女医だった。セルフで麻酔打ってんのかなと疑うほどのまったり口調に巻き込まれ、「(心配なことは)とくにないでスゥー」とこちらも声色が高くなってしまう。

 

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この日は昼夜ともにふつうの米飯食(写真は昼の図)。夕食後、「明日はメシ抜きか…」という絶望感が 私を院内コンビニへと誘った。室温が高すぎるせいもあるのだろう、アイス売り場の魔力は絶大だ。80kcalアイスに手を伸ばしたが、添加物が気になり、PARMの高級そうなほうにした。

 

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…だってノアちゃんが食べろっつったから(責任転嫁)。

 


6月5日(手術当日)

09:00 禁水
10:00 点滴つける
13:00 手術室入り
17:00 麻酔覚める
20:00 酸素マスクをはずす
23:30 尿道カテーテル+脚のマッサージ器をはずす


午前中、ベテラン看護師とノアちゃんが来て、点滴を打ってくれた。血管を探るようすでわかったのだが、ノアちゃんは新人っぽい。

ベ「はいっそこで動かないようにしてーーー、…ア゛ーーーーッ ダメッッ 放さないっ!」
ノ「うはっ!すみません」

…気が気じゃない(、というか軽く失敗して、ベッドに滲む血の染み)。


いよいよ手術本番。「じゃあデイルームでごゆっくり」と母を残し、手術室が並ぶフロアをキョロキョロしながら徒歩移動。指定された手術台に寝ると、歯医者の3倍くらい大きなライトが眼前に迫っていた。まな板の鯉、興奮でビチビチである。そのようすを察して、手術助手とおぼしき方が顔を覗き込んできた。

助「…ほくろ美人」
私「 !!?  ……昔から多くて困ってます」
助「いやぁそんなことないわよ。ほくろ美人ね」

なんだその褒め言葉、と戸惑っていると、矢野顕子(仮)登場。「いまから点滴に眠くなるの入れていきまスヨォー。だんだんボーッとしまスゥー」の呼びかけにニヤニヤしていたら、意識が飛んだ。

 

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手術 約2時間半 + 麻酔 約30分 =計 3時間、と説明を受けたので そう思い込んでいたが、実際は4時間かかったらしい。手術室で目を覚まし、病室に戻ると父も来ていた。両親は、とれたてホヤホヤの耳下腺 with 白いコブ を見せてもらったとのこと。持ち主である私も見たかったが、もう細胞診にまわされたのだろう。

 

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麻酔が覚めても身動きは取れず、寝たり起きたりの繰り返し。天井の突起物が魔人ブウに見えるな、などとロクなことを考えない。酸素マスクを取る頃には、だいぶ眠気も失せた。そして、尿道カテーテル血栓予防の両脚のマッサージ器が外れたのが、日をまたぐ前のこと。ようやく解放感を得る。

「トイレに行かなくても、管で用が足せるってすごいよね」と後日母に熱く語ったが、「アレつけっぱなしだと筋肉が衰えるから、はずしたときの尿もれハンパないらしいよ」と言われ、ちょっと残念。