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きょうは親知らずのレントゲン撮影日。いま通っている歯医者でレントゲンを撮るのは、今回が初めてだ。専用の部屋に通され、立派な機械で頭を固定されたと思ったら、『エリーゼのために』の調べとともにカメラが顔の周りを一周した。クリスマスケーキについてくる光反応式オルゴール(今もあれはあるのだろうか)のようなチープな音色が、ふしぎと笑いを誘う。
しばらくすると、神経まであらわになった写真を手に医師がやってきた。虫歯になっているのが2本、あからさまに横向きに生えているのが1本。もう1本も隣りの歯ににじり寄っている。残っている健全な歯を思えば、ガラの悪い4本とも抜いたほうがよさそうだ。CTを撮る可能性があることや、手術についても丁寧に説明してもらえたので、ある程度覚悟もできた。腹をくくる潔さだけは、昔から定評がある。
とはいえ、甘いモノをやめる覚悟はなかなかできないもので。歯みがき、ちゃんとするからさぁと自分に言い訳。その横で、母は写真のお菓子を舐めるように見ていた。一族もれなく食い意地っぱり。…ん、そういえば父は総入れ歯、母は部分入れ歯だ。気をつけよう。