この君 air

おおきに閲覧。

いまなにしてる

 

8年前、職場の縁談斡旋レディから男性を紹介された。顔合わせの日は、隣町の花火大会の日(レディがあえてそこにぶつけた可能性もあるが、真相は不明)。「せっかくだから行きますか」となり、それまでの暇つぶしにゲーセンへ。下手を承知でUFOキャッチャーに挑んでみたら、小さなミドリフグをひっかけてしまった。その日はフグを片手に花火を見た。

先方が私に気がないことは初回で察したが、紹介された手前、やりとりは続けた。

「ふくちゃん(フグ)は元気です」
「前よりちょっと大きくなったかも(、ふくちゃんが)」
「最近食欲がない(、ふくちゃんの)」

じきに先方とは音信不通になり、ふくちゃんも死んだ。ごめんねふくちゃん。

 

当時の職場の上司とばったり会ったり、この漫画を読んだりして思い出したこと。「いまなにしてる」「ちょっと話したいだけ」みたいな、女性が得意とされている「目的のない会話」が苦手なのだ。できるんだろうけど、恥ずかしい。なにか用事がないと、メールできない。8年前の私にとって、先方に伝えるべき用事は、唯一の共通の話題であるふくちゃんの近況だった。いまも精神的には進歩していないが、当時を振り返るといろいろ致命的すぎて目も当てられない。

私が「いまなにしてる」とうまく言える人間だったなら、だれとどんなふうに過ごしていただろう。そう妄想しては、不器用でよかったなとも思っている。

あ、「デート」すばらしかったね。同じ不適合者として励みになったさ。

 

 

おまけ:

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リュックポケットたくさん」で検索したときの衝撃に近いものを感じる。